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第53回杏林医学会総会市民公開講演会
腸内細菌の不思議と病気との関わりについて
講演会報告

座長 : 久松理一先生

講演1 : 三好潤先生

講演2 : 小栗典明先生

講演3 : 成田雅美先生

講演会の様子
杏林大学共催
第53回杏林医学会総会市民公開講演会
腸内細菌の不思議と病気との関わりについて
座長 : 消化器内科学教授/久松理一先生
日時:令和6年11月9日(土)午後2時〜午後4時
場所:杏林大学三鷹キャンパス 第2病棟4階 大学院講堂
講演1:「腸内細菌叢:「隠れた臓器」の不思議に迫る」消化器内科学准教授/三好潤先生
講演2:「肝臓の病気のコントロールには小腸の腸内細菌が大事?」消化器内科学/小栗典明先生
講演3:「小児アレルギー疾患と腸内細菌叢」小児科学教授/成田雅美先生
講演概要
われわれヒトの腸の中には腸内細菌叢が共生しています。その数は100兆個とも言われ、ヒトの体重の1.5kgに相当すると言われています。また、ヒトのDNA情報量よりも腸内細菌叢のDNA情報量の方が多いことがわかっています。われわれヒトにとって腸内細菌叢はなくてはならないパートナーです。ヒトは食物繊維を分解するのに腸内細菌叢の力を借りなければなりませんし、腸内細菌が存在することで、われわれヒトの免疫装置は発達することができます。さて、ヒトの腸内細菌叢はいつ決まるのでしょう?これはまだ謎が多い部分ですが、胎児期の母体の環境や生まれてからの乳幼児期の環境が大きく影響すると考えられています。また、多くの疾患で腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が関与することもわかってきました。本日は、肝硬変や小児アトピー性皮膚炎と腸内細菌叢の最新情報についてお話をさせていただきます。皆さんに楽しんでいただけると幸いです。
「腸内細菌」については、より健康的な生活を送りたいと願う皆様にとって大変興味深いテーマであったためか、事前参加登録では100名近い人数のご登録をいただきました。
当日ご参加いただいた方々のアンケートでは、「腸内細菌叢研究の基本的な部分から、最新の注目されている分野(小児・小腸)の研究成果を学ぶことができた」「漠然と体に良い、健康に良いと考えていた腸内細菌の重要さをとても強く感じた」「小腸の力が大きいという事は驚きだった」というご意見に加え、座長・演者の先生方についても「座長の先生の補助的な説明がわかりやすかった」「講演内容が一般の人にもわかりやすい言葉遣いで理解できた」というお喜びの声を多くいただきました。
様々な質問に対し真摯にご対応いただきました座長の久松先生をはじめ、演者である三好先生、小栗先生、成田先生には、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
また、本講演会開催にあたり技術サポートをいただいた総合情報センターご担当者2名の方々にも、改めまして厚く御礼申し上げます。
有難うございました。
杏林医学会
2024.11.12